2008年に読了した本25冊目、石持浅海:著「賢者の贈り物」PHP研究所:刊。
表題聞いて「え、賢者の贈り物ってO.ヘンリー?」とか思うわけなんですが、そういうメジャーどころの物語を現代風推理おとぎ話(?)にしたような感じの短編集。隙間読書にはもってこいです。収録されている10篇のお話と元ネタ…というかモチーフになっているお話は以下の通り。
・金の携帯銀の携帯(金の斧銀の斧)
・ガラスの靴(シンデレラ)
・最も大きな掌(ギリシャ神話・黄金の林檎)
・可食性手紙(童謡「やぎさんゆうびん」…元ネタイソップだったっけ?ぐぐったけどわかんない…)
・賢者の贈り物(オーヘンリーの同名短編)
・玉手箱(浦島太郎)
・泡となって消える前に(人魚姫)
・経文を書く(耳なし芳一)
・最後のひと目盛(最後の一葉)
・木に登る(こらもたぶんイソップ…熊から逃れるために木に登る話)
基本は元ネタの通りに展開しますが、石持氏の持ち味、ミニ劇場型の論理推理がそこを味付け。「おいおい」とか「ありえね〜」と突っ込みつつ楽しめます。
また、すべての話に共通して出てくるのが、「磯風さん」という黒髪の美女。…ただしこれは別に同一人物というわけでもないらしい(中には同一人物っぽい磯風さんもいるけど)。…松本零士の作中の「髪の長い美女」みたいなもんか?それとも作品ごとに性格が微妙に違うエスメラルダとか。
氏の作品にしてはちょいと小粒かな…とも思いますが、「人柱はミイラと出会う」よりは「Rのつく月には気をつけよう」の系譜に連なる作品だと思えば十分ありかな。あんまり頭を使わなくていいちょいミステリー好きはいっとけ。


