2007年07月07日

野尻抱介「ヴェイスの盲点―クレギオン〈1〉」




 …うう、明日は朝6:20に出勤…世の中に早番遅番夜勤深夜勤の人たちがたくさんいるのは知ってるけど、朝苦手だから辛いにょ!しかもボランティア出勤だからなお辛いにょ!

 辛いつらいといいつつせっかくの土曜日をぼんやり浪費。そんな中今年読了した本25冊目、野尻抱介:著「ヴェイスの盲点―クレギオン〈1〉」ハヤカワ文庫:刊。

 SFTRPG「クレギオン」の世界観を下敷きに、オヤジと美人と小娘がスペースオペラを繰り広げます。軽妙な登場人物同士のやりとりと、その後のハードSF路線にもつながる重厚な世界観、そのうえで提示される「星(ここでは人類が到達して居住区とした惑星のこと)」の特殊事情とそれに順応して生きていかざるを得ない人々のドラマ。地に足がついていながらファンタスティックでグッドです…宇宙空間で「地に足」もくそもないんだけどさ。

 今回の物語は、社長とパイロットの2人からなるミリガン運送が、大戦の遺物である機雷原に覆われて宇宙(つまり他の人類の居住区)との交易が困難な惑星ヴェイスで一仕事するお話。
 仮想敵がいない平和と機雷原によって脅かされる『日常化された見えない戦争』、その中で宇宙と交易するための花形職業である『ナビゲータ』の存在、機雷原を解除するための方策、行き来が困難であるがための利益とその暗部など、表向きはホームドラマ的な進行を見せつつ、裏にいろんな要素が盛りだくさんで楽しめます。設定をいろいろ書いちゃうとネタばれになりそうなので、ご紹介はこの程度で。
 ラノベなんかにありがちなキャラクターの布陣なんだけど、ラブコメ要素とか萌え要素とか、あんまりそういうのを感じないのは世界の構築ががっちりしているせいかなあ。

 これが処女作(とはいえ、文庫化に際して表現を直してあるらしいけど)だそうですが、実は「太陽の簒奪者」の予習のつもりで読み始めたこのシリーズ、けっこういい読後感なのではまりそうかも。

 もしかしてSF系のTRPGやってる人には「何を今更」なのかも知れませんが、けっこうプッシュの1冊です。
posted by NOIRA at 23:37| Comment(3) | TrackBack(1) | ブックレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
確か昔読みましたよー。懐かしい。
タイトル見てピンときた自分にびっくり。結構覚えているものだなぁ。
Posted by はるみっちぇる。 at 2007年07月08日 07:28
野尻抱介はどれも面白いっすよ。
クレギオンが一押しですが、
ロケットガールシリーズも意外とお勧めです。
Posted by ruito at 2007年07月08日 18:26
おお、既に読んだ人のコメントキター!

はるみっちぇっるさん、どうもどうも〜。

ホームドラマと充実した社会背景のバランスがいいと思いました〜。

ruitoさんもコメントでは久しぶり〜(mixiではほぼ日記ストーカーなおいら…)。

とりあえず文庫版になってるクレギオンシリーズを読み終えたらハード系SF作品に進もうかとおもっちょります〜。

…とかいいつつ、石持浅海にチョト浮気中なりw
Posted by NOIRA at 2007年07月08日 18:31
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