やばいよ体力がないよ…!
そんなわけで、日常を振り返る暇もなくブックレビュー。しかし暑いなあ…。
さて2008年に読了した本36冊目、伊藤守:著、「3分間コーチ」ディスカヴァー・トゥエンティワン:刊。
最近旦那がコーチングとかリスクマネジメントとかそんな系列の本を読んでるんで、易しそう(というよりはちょっと引用して仕事に使えそう)なものを1冊読んでみた。「ひとりでも部下のいる人のための世界一シンプルなマネジメント術」と副題がついております。
内容としては、「あなたの部下を育成するために、毎日3分間時間を取って部下とコミュニケーションしましょうよ」というようなもの。コーチング、というとスポーツを連想しがちだけど、ジャンルを問わず人材育成を援助する手法のことを指すらしい。
で、この本、会社におけるマネージャー(人材を育成しようとする人、位の意味にとらえておいたほうがよさそうです。上司だったり先輩だったり、立場はいろいろありそうだ)がまず部下と3分間(短い時間)対話することによる効果とか、その対話をより戦略的に生かすためにはどうするか、といったことが示されております。
…教室で使えそうかなあ、と思って読んでみたんですが、ここで提案されていることをそのまんま20人とか30人とかいる教室でやろうとするのは無理があるよ〜ん。
そんなことを旦那に言ったら、「コーチングマネージャーってのは数人オーダーで、10人超えたらプロジェクトマネージャー」と突っ込みががが。…ああ、やっぱり集団の育成と個人の育成は別物か…(両方やらなきゃいけないんだけどね)。
そのまま使うには無理があるけど、行事を控えた役員の子とか、部活のエースとか、そういうシチュエーションの声かけには使えそうかなあ、とか思ってみる。
そうそう、「3秒間ナレッジ」として、本論の超要約が随所に挟まれてて笑った。ちょっと覚えておくにはいいんだけど、本論読まずに丸暗記しようとする人には不向きだよなあ、と皮肉なことを思う。
そして同僚相手には…万年コーチングされる立場だったりするわけで(滝汗)
2008年07月22日
2008年07月21日
野尻抱介「女子高生、リフトオフ!」
さて、半分引きこもり気分で読んじゃった本のご紹介といこうか。2008年に読了した本35冊目、野尻抱介:著、「女子高生、リフトオフ!」富士見ファンタジア文庫:刊。1994年にドラゴンマガジン連載、1995年に刊行された物がアニメ化記念で再刊されたらしい。
夏休みを利用して、生き別れの父(…会った事ない場合って生き別れと言っていいのかしら…)を探しに南の島へやってきた女子高生、ゆかり。そこで何故か有人宇宙飛行船のパイロットとしてスカウトされてしまう。理由は簡単、女子高生は小柄で軽量だからだーっ!さて、素人のゆかりは宇宙飛行士としてやっていけるのか。それよりなにより冒頭のシーンで爆発しっぱなしの宇宙船、本当に有人で宇宙へ行けるまでに開発できるのか。そして生き別れ(?)の父の行方は!?
…と、ストーリーだけ追っていくとラノベ全開のはちゃめちゃSF。何の訓練も受けていない女子高生が(ちょっと特殊な事情があるとはいえ)バイトで宇宙飛行士になれるんかい、と突っ込みつつ読み進む。正規の宇宙飛行士が逃げ出す厳しい訓練を無理やり受けさせられたり、女医さんがどSだったり、勉強は古今東西女子高生の敵(この手の物語的にね)だったり、生き別れの父がちょっと待てやこら!な人だったり、母は母でさすがに女手ひとつで育てるタイプはそうだよなあ…だったり、腹違いの妹ですか!だったりと隙のない布陣。(でもラノベにしては隙がなさ過ぎる気がする…そして萌えって往々にしてその隙間に住んでないか?)
適度にインパクトのあるキャラクターたちによる軽妙なやりとり、女子高生ならではの行動とその動機、宇宙への憧れと不安、トラブルと機転、そして何故かいいところでBL(爆笑)と、いろんな要素を詰め込んでなおかつ軽妙な語り口。掲載誌の関係もあるんだろうけど、楽しくてこりゃいいや〜。
んでもそこは野尻抱介。考証はむしろしっかりしていて、この小説内で描写されたことで、時代が追いついて現実になってるところもたくさんありまする。本人があとがきでその辺を解説しているので、その辺もお楽しみの一環だとおもいまふ。
なんとなくお得感のある1冊、科学館とかプラネタリウムとかが好きなライトなSFファンはぜひ。
…あ、アニメの方の公式サイトにもリンク張っとくね。
2008年07月08日
石持浅海「温かな手」
忙しいにょ〜。…と言いながら帰ってきて、コンビニ弁当を片手に読み始めたらするするけろりと1冊読んじゃったのでご紹介。2008年に読了した本34冊目、石持浅海:著、「温かな手」東京創元社:刊。
ギンちゃん&寛子さん、ムーちゃん&匠さんの2組のカップルが出会う事件の数々。短編連作として、あるときは研究室の殺人事件、またあるときは消えてしまった恋人探し…そして、カップルの片割れ、ギンちゃんとムーちゃんが探偵役となり、事件の全貌を推理する。
実はこの探偵役の2人、人間じゃなくていわゆる吸血鬼的なナニカ(作中で本人たちが吸血鬼と言う呼称を嫌がってるんだけど、だからといって何々族みたいな通称も出てこない)なのですが、人外のナニカだからといってミステリー成分にさほど影響しないのが面白い。犯人を取り押さえるのにこの特殊な力が小道具的に使われてたりはするんだけど、まあ、事件を起こす主体はフツーの人間の方なので、事件の成立とその推理にはあんまり影響を及ぼさないってところか。
ギンちゃんとムーちゃんは兄妹で、物語の終盤になって2組のカップルが合流し、静かなラストへと話が収束していく。…で、ああやっぱり人外のキャラクターじゃないとダメなんだなあ、と物語り全体を見渡して納得するので、「ミステリーにこんなえすえふな設定持ち込んじゃダメじゃん」とか言わずに読み進めるのが吉。
石持作品としては、「人柱はミイラと出会う」とか「Rのつく月には気をつけよう」の系列だと思うけど、「賢者の贈り物」よりも統一感があってバランス取れてる感じ。あと、人外のナニカながらも美しい魂を愛する種族だけあって、どこか澄んだ印象を与えるギンちゃん&ムーちゃんが、もうちょっとシリアスな作品群に登場するキャラクターに近い印象をもってると感じました。綺麗すぎない石持浅海、ということでプッシュしておきます。
それにしても、ホンソメワケベラ(もどきのほうだけど)とシャンブロウを同列に並べたらダメでしょ…いや、ダメじゃないのかもしかして…と、この辺が今回の重箱の隅的石持ワールドでありました。
2008年07月07日
野尻抱介「太陽の簒奪者」
乱雑で暮らしていけない家の中でも、なぜか本は読めるのだった。そんなわけで2008年に読了した本33冊目、野尻抱介:著、「太陽の簒奪者」ハヤカワ文庫:刊。
突然始まった水星の火山活動…のような謎の挙動。水星による日食の日に始めて観測されたそれは、地表の鉱物資源を宇宙に吹き上げながら太陽を取り巻くリングを作り始めた。いったい何者が、何のために作ったのか?何者かの作為によるとするなら、そんなにすぐ近くに異星文明は存在したのか?
…いやあ、どこを切り取って感想書いたらネタバレにならないのかわかりません(苦笑)。
リングの正体はなんなのかという疑問、そこに日照が激減して滅亡の危機を迎えた地球はどうなっちゃうのかという緊急性をはらむストーリーが絡んだ序盤、リング破壊ミッションに挑んだ宇宙船内での情報収集と考察は、静かながらも割と最近の科学考証に裏打ちされて面白いですよ。
更には、リングの正体を探り、その破壊に成功したあとも新たなる謎が提示される。提示されまくる。
実存の状況証拠はそろっているのにいまだコンタクトできない異星文明とはどういう存在なのか。知性とはなんなのか。社会性なのかエゴイズムなのか。主体とはマスなのか主観なのか。
いろんなテーマの多重構造を、そんなに衒学的に感じさせない野尻氏の筆致、スペースオペラ風な派手さはないけど(とはいいつつ、宇宙空間で貴重な核弾頭を何発も使ってるけどね)重厚なストーリー展開、更には異星文明間のコミュニケーションの難しさなど、読みながら考える要素がいっぱい。
…サンシャイン2057よりもむしろこのお話をハリウッドで!どうよ!
(日本人女科学者は地味だと思われるので、主演はばいんぼいんのブロンド女科学者に変更か)
2008年06月29日
上橋菜穂子「精霊の守り人」
今日も出勤。何故仕事が終わらないのか謎(いや、自明だろう)。なのにいつの間にか1冊読み終わっている不・思・議(いや、サボりだろう)w
そんなわけで、2008年に読了した本32冊目、上橋菜穂子:著、「精霊の守り人」新潮社文庫:刊。
F2さんに借りっぱなしの積読になっていた本をようやく読みました…と思ってたら、「あれはあげたんですよ〜」と本人からメール。…デルフィニア戦記シリーズのときも「第1部だけあげる」とプレゼントされて結局最終巻まで買ってしまったし、これも残り9冊買えというのか。
(いや買えなんて言われてないから)
(むしろ喜んで買ってたんじゃ)
…主人公バルサは女短槍使いの用心棒。…で、30歳。なんか美少女じゃないばかりかおばさんですよ!懐深いなあ。川でおぼれた皇子さまを助けたところからお話が始まり、皇子様を取り巻く運命の渦に巻き込まれていく…
ある意味オーソドックスな話のつくりをしていて、安心して読めます。バルサと皇子、ツインで主人公(一応バルサのほうが主人公っぽいけど、シリーズ通して両方の視点からこの先のお話が語られるらしい)なんですが、少年である皇子に対して…ああ、おばさんというかある程度いろんな経験つんでる人じゃないとこの話は成り立たないな〜と思ってちょっと嬉しくなった。そして彼女に対してもまだ若輩と罵れるような70のばあさんとか出てくるし、いろんな意味で厚みがあって読み応えありました。
どっちかというと東洋風の雰囲気を持った世界観、ナユグという異界、皇子と彼にとりついたモノ…という意味でのお話はこの1冊で終わるけど、世界にちりばめられた謎がまだ多く残されていて、続きが楽しみ〜。
(そんなわけでそのうち続きを買うでしょう☆)
文庫本なのに、難読漢字にルビが振られているので、「物語」がお好きな子なら小学生でも確かに読めそう。児童文学ならではの配慮ですねっ。
…アニメ版もなかなかいい雰囲気なんだけどさ、なんでこういうのが邦画にならないのかなあ。ちょっとチープな気はするけど、ゲゲゲの鬼太郎あたりを見ていると、それなりの雰囲気を持った映画ができると思うんだけど。みんなアニメにとられちゃうというか…予算の問題?
2008年06月23日
米澤穂信「犬はどこだ」
さて平日の仕事が始まりましたが今日もぐだぐだです。プールに入ってないのに。こりゃあ「プールのせいじゃなくてお前がぐだぐだなんじゃよ」と悟っちゃいそうな感じ。むう。歩数も伸びちゃいないし。
さてそんな中で1冊ご紹介〜。2008年に読了した本31冊目、米澤穂信:著、「犬はどこだ」創元推理文庫:刊。
(ごめんなさいリンク先はソフトカバー版のページです…)
あれ?主人公が学生じゃないよ大人だよ?しかも探偵だよ!?
…というわけで、今までとは趣を変えて駆け出し(というか開業直後
)の探偵が主人公。しかも、「犬探し専門」を希望しているんだそうで。…探偵の仕事の中で犬探しというと、なんとなくランクが下の仕事のようなイメージがあるけど、その辺ならノウハウが多少なりともわかる、ということらしい。
しかし、広告を出す前から舞い込んでくる仕事は失踪者さがしに古文書の解読。さらに押しかけスタッフまで舞い込んで来る始末。同じ町で依頼されながらも一見関係のない2つの事件は微妙にからみあってきて…
ネタバレはよろしくないので事件そのものに言及をすることは避けますが、2つの事件が絡んでくるあたりから面白くなっってきた。依頼自体は偶然なんだろうけど、事件の経過やちりばめられた手がかりの配置が計算されてて、徐々にはまっていくところがいい感じ。依頼で追っている女性の人物像が最初矛盾をはらんでいたのに理由とともにクリアなイメージになっていくところもなかなかグーだと思います。
文庫版は解説がついていて、ミステリとしての物語のほかに「主人公(実は銀行員として就職しているものの挫折している)の再生の物語」としても読むことができる…とあったけど、その辺は大田忠司:著、「レストア オルゴール修復師・雪永鋼の事件簿(カルテ)」あたりと対比して読むと面白いかも。雪永鋼の癒し癒され…という修復モチーフとしての再生と本書の探偵・紺屋長一郎の社会人としての活動と気力の再生(というように見える。病んでないんだもん。)は、本人たちの人柄のちがいか作者の作風の違いかはわからないけど趣が違う。
でも、対比させるとしたら、作中で主人公が「同じ境遇だ」と評していた2人(ネタバレにつき読んだらそのときピンときてください)のほうが面白いかな。折れたものとしたたかなもの、見たいな感じで。
「ボトルネック」とおおむね同時期。こっちのほうは意図して作風を変えようという感じ。
2008年06月15日
米澤穂信「ボトルネック」
地震のことは気になるけど、とりあえず仙台のお義母さんが無事だったことを確かめた程度。あとは普通の週末しておりました…。
(あ、20年前の同僚とお食事会があって行ってきたけどね!)
そんな中で1冊。2008年に読了した本30冊目、米澤穂信:著「ボトルネック」新潮社:刊。
好きだった女の子が事故で死んで2年。主人公は彼女がなくなった崖の上に来ていた。ようやく彼女の死を受け入れられるようになり、道々摘んだ小さな花を手向ける。そこで急いで家に帰らなければならなかったんだけど、あっと思う間に突風にあおられ、彼もまた崖から落ちてしまう。
死んだかと思ったのもつかの間、家から程近い場所で目覚めた主人公。しかしそこは彼の生きていた世界とは微妙に違っていて…
パラレルワールドもの、とくくってしまえばそれまでだけど、SF的な要素もファンタジー的な要素もほとんど排して、「姉が出産前に死んで主人公が生まれた世界」と「姉が無事生まれたために主人公は生まれなかった世界」のバタフライエフェクトの検証検証また検証、みたいな形でストーリーが進んでいく。そういう意味ではあんまり先読みは必要ないし読みやすいかな。
最終的に主人公は元の世界に帰る(といっても、多分彼の中ではそれは重要事項じゃなくなっている)わけなんだけど…なんだこの後味の悪さは、というか、ポジティブがそんなに偉いのか、という読後感。
暗いよりも明るいほうが多分好かれるパーソナリティなんだろうし、機転は利かないより利いたほうがいい。想像力も、共感する力も、現状を打破する力もあったほうがいいんだろう。…生き易い、と言う意味で。
うん、でも、そうじゃない人間も…そんなに捨てたもんじゃないと思うんだ。多分、「リョウとサキ」だけが主要な登場人物じゃなかったら、それを提示されて救われる道もあっただろうに。高校生に等身大な異世界を構築してあるだけに、結論(というか、主人公の最後の絶望)が残念。
…最後の選択をどっちにするかは明記されてない(自明のような気はするけど、主人公の性格からして日和るのはあり、とも思う)ので、その後の人生があって、ちゃんとそこを示唆してくれる人との出会いがあることを願ってみる。
米澤穂信氏、ちょっと作風かわったなあ。自己嫌悪にまみれてないときに読むのをお勧め。
2008年06月12日
海堂尊:著「死因不明社会」
へにょへにょ。本日ちょっと体力が残り少な…(ぱたり)
…しかしレビュー。2008年に読了した本29冊目、海堂尊:著「死因不明社会」講談社ブルーバックス:刊。
「チーム・バチスタ」で登場した白鳥氏をナビゲーターにして、現代日本の解剖率の問題や死因特定のための検査の構造的不備を説き、「AI(死亡時画像診断)」の導入のメリットと可能性を検証する…という本書の流れ、実は「チーム・バチスタ」において白鳥氏が提唱したことどのまんま。
しかし、本書のほうは統計的データや医学現場の様子などを詳しく交えて書かれており、実際にどういう状況にあるのか、AIの導入は現実的なのか、医療現場の立場からはどうか、法整備の立場からはどうかなど、多面的に理解できるようになっている。
…んだけど、白鳥氏がナビゲートしているだけに、どこからがフィクションでどこからが海堂氏自らの主張なのか時々迷うことになっ…(爆)
もしかして読み方間違えてますか…?
白鳥氏の人物像がフィクションなだけで、内容的にはすべてドキュメントのはずなんですけどね…キャラクターのインパクトが強すぎる…。
真面目に読んで真面目に内容を受け止めましょう(自戒)、といったところか。
ただし、白鳥氏のお陰で固くなりがち、深刻になりがちな本書の内容に緩急がついていたのは事実。ブルーバックスなのにね(苦笑)
2008年06月01日
菅沼理恵「星宿姫伝 くろがねの奇跡」
…あれ?amazonのseesaa店のほうに該当ページがない…
…というわけでアフィリエイトリンクはページができているのに気がついたら後ほど。まあ、1円たりとも入ってきたことないけど(笑)。
(表紙絵引用の方法としてリンク張ってますw)
さて、2008年に読了した本28冊目、菅沼理恵:著「星宿姫伝 くろがねの奇跡」角川ビーンズ文庫:刊。星宿姫伝シリーズは本作で終了です。
竜珠の力とその力の行使である「術」はこの惑星の力を汲み出して使っているものであり、このまま術を使い続けることによって星は滅びを迎える。竜珠の多く生まれる土地柄であり、術がさかんな神杖では、術を放棄するかどうかの決断を迫られ…
えーと、ハッピーエンドだからいいんだけど、たとえ斎王白雪の主張があったり、滅びの現状を比較的的確につかめたりしたという経緯があったとしても、そんな簡単に今ある利便性を捨てられるものなんだろうか、という疑問がずっとついてまわるのは私がラノベを読むには薄汚れた大人だからでしょうか…。あっさり竜珠を廃することを受け入れる神杖、そして国内にある巨大な竜泉を封じる白雪(と灰桜と七樹)。ああ、うん、理想がこれとわかったら方向変換できる国っていいよねえ。ぶつぶつ…
そして、竜泉から惑星の力を吸い上げているのはわかったけれども、そのエネルギーは惑星外に逃げていっているわけじゃないよね?とふと思ってしまったら、竜珠を廃する=エコ、というくろがね編の図式にちょっと疑問が生まれましたが、これはいやらしい一読者の感覚ってことで追求しないでおきます…。
でも、「術を使うということは星の力をくみ上げて使うと言うことだから星はだんだん滅びに向かう」ということの真実性が結局状況証拠だけでしか提示されず、輝石にもそれが把握できないまま単に事実としてお話が進んじゃうのはなんだかなあ。術を使うものや竜珠たちが自覚はなかったとはいえ単純に悪(星を滅ぼすと言う意味においてね)なのか。そこもっと複雑な構造にしてほしかったなあ。
白雪ちゃんのやってることが単純に正しく、しかし今までの伝統にのっとって術を使っていた人たちの今後の不安がかせになる程度…というのはストーリーの重みとしてどうなのか。
あとは、白雪ちゃんがもてもて(死語)の件については、考えてみると主要な女性キャラがほかにいないので逆ハーレムもやむなし。…静玄さん、白雪ちゃんの暗殺に来た人と本当に同一人物?今回かわいそうで可愛い役どころなので一押し。
エピローグが青磁おじちゃんだけなのは不満…というか、4人はその後どうなってるのかなあ。近衛として側仕えをしてはいるんだろうけど、白雪ちゃんも含めて5人が竜珠ではなくなったあと、どういう関係の変化が訪れたのかそれとも訪れなかったのか…ちょっと気になります。
そんなこんなで、可愛い20代男性キャラに萌えポインツを見る方にはお勧め…あ、もちろんラノベ視点でお願いします。
…というわけでアフィリエイトリンクはページができているのに気がついたら後ほど。まあ、1円たりとも入ってきたことないけど(笑)。
(表紙絵引用の方法としてリンク張ってますw)
さて、2008年に読了した本28冊目、菅沼理恵:著「星宿姫伝 くろがねの奇跡」角川ビーンズ文庫:刊。星宿姫伝シリーズは本作で終了です。
竜珠の力とその力の行使である「術」はこの惑星の力を汲み出して使っているものであり、このまま術を使い続けることによって星は滅びを迎える。竜珠の多く生まれる土地柄であり、術がさかんな神杖では、術を放棄するかどうかの決断を迫られ…
えーと、ハッピーエンドだからいいんだけど、たとえ斎王白雪の主張があったり、滅びの現状を比較的的確につかめたりしたという経緯があったとしても、そんな簡単に今ある利便性を捨てられるものなんだろうか、という疑問がずっとついてまわるのは私がラノベを読むには薄汚れた大人だからでしょうか…。あっさり竜珠を廃することを受け入れる神杖、そして国内にある巨大な竜泉を封じる白雪(と灰桜と七樹)。ああ、うん、理想がこれとわかったら方向変換できる国っていいよねえ。ぶつぶつ…
そして、竜泉から惑星の力を吸い上げているのはわかったけれども、そのエネルギーは惑星外に逃げていっているわけじゃないよね?とふと思ってしまったら、竜珠を廃する=エコ、というくろがね編の図式にちょっと疑問が生まれましたが、これはいやらしい一読者の感覚ってことで追求しないでおきます…。
でも、「術を使うということは星の力をくみ上げて使うと言うことだから星はだんだん滅びに向かう」ということの真実性が結局状況証拠だけでしか提示されず、輝石にもそれが把握できないまま単に事実としてお話が進んじゃうのはなんだかなあ。術を使うものや竜珠たちが自覚はなかったとはいえ単純に悪(星を滅ぼすと言う意味においてね)なのか。そこもっと複雑な構造にしてほしかったなあ。
白雪ちゃんのやってることが単純に正しく、しかし今までの伝統にのっとって術を使っていた人たちの今後の不安がかせになる程度…というのはストーリーの重みとしてどうなのか。
あとは、白雪ちゃんがもてもて(死語)の件については、考えてみると主要な女性キャラがほかにいないので逆ハーレムもやむなし。…静玄さん、白雪ちゃんの暗殺に来た人と本当に同一人物?今回かわいそうで可愛い役どころなので一押し。
エピローグが青磁おじちゃんだけなのは不満…というか、4人はその後どうなってるのかなあ。近衛として側仕えをしてはいるんだろうけど、白雪ちゃんも含めて5人が竜珠ではなくなったあと、どういう関係の変化が訪れたのかそれとも訪れなかったのか…ちょっと気になります。
そんなこんなで、可愛い20代男性キャラに萌えポインツを見る方にはお勧め…あ、もちろんラノベ視点でお願いします。
2008年05月27日
海堂尊「チーム・バチスタの栄光(下)」
今日は運動会〜。へろへろ。そしてブックレビューですが、運動会練習期間に読み上げたもののやっぱりへろへろで放置していた本をご紹介。…というわけで、2008年に読了した本27冊目、海堂尊:著「チーム・バチスタの栄光(下)」宝島社文庫:刊。
上巻のレビューで医療現場の個性あふれる面々に挑む田口医師…というようなことを書いたが甘かった。いや、上巻レビューの段階では決して嘘ではなかったんだけど、下巻にいきなり登場する相棒役・白鳥調査官が
他の追随を許さぬ個性派っぷり。
病院関係者じゃない利点と心理学的素養を活かし…というよりぶっちゃけ人間関係を斟酌しない形で、再びヒアリングが行われる。そしてその後の手術で起こる術死。意外な、それとも妥当な犯人の存在。
繰り返される田口医師のヒアリング、白鳥調査官のヒアリングで現れては消える仮説と、構築されていく見えない密室が魅力的。登場人物の個性がきらめいてはいるけれど、作者の医療経験をもとに計算された物語なんだなあと思う。
医療関係の用語はちゃんと説明つきで出てくるので、毛色の変わったミステリー好きはぜひ。…あ、その辺ジョナサン・ケラーマンあたりの作品に通じるものがあるかも(というよりは、田口氏とドクター・アレックスってどこか似てないか?)。
田口&白鳥コンビの活躍する続編が出ているらしいので、見つけたら読んでみよう…とか思いつつ、今回の小説の中でも触れている「死因を特定するための解剖またはそれに準じる検査」を扱った「死因不明社会」あたりも興味の対象。
2008年05月20日
海堂尊「チーム・バチスタの栄光(上)」
毎日朝早く出勤して夜遅く帰ってきている(といっても夜勤してる人とかぶっ通して30時間以上働いちゃってる人とかには及ばないんだけどさ)自分でもいつ本を読んでるのか不明なんだけど、読まないと飢えちゃうんだからしょうがないよね!とうそぶいてみるテスト。
飢えちゃうとか言うんだったら読書量がケタひとつ少ないだろ〜とかいう突っ込みを無視しつつ久しぶりのブックレビューです。
2008年に読了した本26冊目、海堂尊:著「チーム・バチスタの栄光(上)」宝島社文庫:刊。
映画にもなったけど映画のほうは見ておりません。mixiでF2さんのレビューを読んで気になった作品…と思ったけど、よく考えてみたら毎年買ってる「このミス」で選ばれてる作品じゃないか。そうすると割と水にはあうかなあ…そんな感じで読み始めた。
上巻読み終わってお話はまだ中盤。大学病院で心臓手術の術中死が立て続けに起こり、手術チームからは門外漢にあたる神経内科の医師が内部調査を依頼される。手術中のミスなのか、患者の体力が手術に耐えられないという不運が重なっただけなのか、それとも何かシステム的に問題を抱えているのか、…もしかして殺人なのか。
大学病院内で昼行灯を決め込んでいる探偵役の神経内科医師、アメリカで実績を積み、心臓移植およびバチスタ手術の専門家にして手術チームを率いる桐生医師、その他チーム・バチスタの医療スタッフの面々は個性豊か。物語前半は田口医師がスタッフに聞き取り調査をすすめるシーンがメインなので、どちらかというとスタッフ間の位置づけや相関が語られているんだけど、この個性(と田口さんが内心でいろいろまぜっかえしつつ調査をすすめる)のため退屈しません。
さて、役者が概ね出揃ったところで、またも起こる術中死。「事件」としての目立った動き(登場人物の相関が揺らぐような流れ)はないので、下巻で物語が動き出すのが楽しみでっす。
今のところひっかかってることは、「殺人」だとしたら動機は何か、普通殺人とは考えないだろう内部スタッフからの「殺人説」提示は何のためか、…あと、「卒論の追試」の意味するところ…?
そんなこんなでワクテカしつつ下巻へ続く。
2008年05月11日
石持浅海「賢者の贈り物」
さて、あんまり体調がよくないので多少外出はしたけど家でだらっとしていた感じの今週末、久々に石持浅海を読んだのでご紹介〜。
2008年に読了した本25冊目、石持浅海:著「賢者の贈り物」PHP研究所:刊。
表題聞いて「え、賢者の贈り物ってO.ヘンリー?」とか思うわけなんですが、そういうメジャーどころの物語を現代風推理おとぎ話(?)にしたような感じの短編集。隙間読書にはもってこいです。収録されている10篇のお話と元ネタ…というかモチーフになっているお話は以下の通り。
基本は元ネタの通りに展開しますが、石持氏の持ち味、ミニ劇場型の論理推理がそこを味付け。「おいおい」とか「ありえね〜」と突っ込みつつ楽しめます。
また、すべての話に共通して出てくるのが、「磯風さん」という黒髪の美女。…ただしこれは別に同一人物というわけでもないらしい(中には同一人物っぽい磯風さんもいるけど)。…松本零士の作中の「髪の長い美女」みたいなもんか?それとも作品ごとに性格が微妙に違うエスメラルダとか。
氏の作品にしてはちょいと小粒かな…とも思いますが、「人柱はミイラと出会う」よりは「Rのつく月には気をつけよう」の系譜に連なる作品だと思えば十分ありかな。あんまり頭を使わなくていいちょいミステリー好きはいっとけ。
2008年に読了した本25冊目、石持浅海:著「賢者の贈り物」PHP研究所:刊。
表題聞いて「え、賢者の贈り物ってO.ヘンリー?」とか思うわけなんですが、そういうメジャーどころの物語を現代風推理おとぎ話(?)にしたような感じの短編集。隙間読書にはもってこいです。収録されている10篇のお話と元ネタ…というかモチーフになっているお話は以下の通り。
・金の携帯銀の携帯(金の斧銀の斧)
・ガラスの靴(シンデレラ)
・最も大きな掌(ギリシャ神話・黄金の林檎)
・可食性手紙(童謡「やぎさんゆうびん」…元ネタイソップだったっけ?ぐぐったけどわかんない…)
・賢者の贈り物(オーヘンリーの同名短編)
・玉手箱(浦島太郎)
・泡となって消える前に(人魚姫)
・経文を書く(耳なし芳一)
・最後のひと目盛(最後の一葉)
・木に登る(こらもたぶんイソップ…熊から逃れるために木に登る話)
基本は元ネタの通りに展開しますが、石持氏の持ち味、ミニ劇場型の論理推理がそこを味付け。「おいおい」とか「ありえね〜」と突っ込みつつ楽しめます。
また、すべての話に共通して出てくるのが、「磯風さん」という黒髪の美女。…ただしこれは別に同一人物というわけでもないらしい(中には同一人物っぽい磯風さんもいるけど)。…松本零士の作中の「髪の長い美女」みたいなもんか?それとも作品ごとに性格が微妙に違うエスメラルダとか。
氏の作品にしてはちょいと小粒かな…とも思いますが、「人柱はミイラと出会う」よりは「Rのつく月には気をつけよう」の系譜に連なる作品だと思えば十分ありかな。あんまり頭を使わなくていいちょいミステリー好きはいっとけ。
2008年05月07日
米澤穂信「さよなら妖精」
さて4日ぶりに出勤して1日仕事をした。そしたらのどが痛いよ…。
ううう、痛みとともに、自分ののどはけっこうお仕事をしているのだなあと認識した次第です。…他所様に誇れるような仕事っぷりかどうかというのは関係ないけどね(自虐)!
さて、そんな隙間時間に本を1冊…というか逃避的に本を1冊読んだのでご紹介。2008年に読了した本23冊目、米澤穂信:著「さよなら妖精」創元推理文庫:刊。
…なんかがっつり重かった〜。ストーリーの表層は、ふとしたことで知り合った外国人の女の子マーヤと楽しい日々を過ごし、帰郷した彼女の住む町を記憶と記録を頼りに推理する…というだけの「日常的な謎」ミステリーなんだけど。
マーヤの国はユーゴスラヴィア。当時6つの国からなる社会主義連邦国家。作中の時間1991年から1992年にかけてで、そのころ起こったユーゴスラヴィア紛争により国は解体し、2003年には消滅している。
いろいろな国を訪問して、人との交流から学ぶ彼女と、主人公たち4人の高校生の交流。紛争が始まり、故国に帰っていった彼女を案じ、彼女の故郷はユーゴの中のどの国にあるのかを主人公は推理する…。
ユーゴスラヴィア、という国の悲劇性もそうなんだけど、主人公が(恋愛とかそういう見地からでは決してなく)彼女についてユーゴに行きたい、というその辺の思い込み(というか若さゆえの陶酔?)のアイタタっぷりがもー、なんというか辛いわ…。
前半の異国から来たゆえのマーヤちゃんの興味に引きずられて「なんで?どーして?」と謎に満ちた日常しているところがとても幸福な出会いとして描かれているだけに、後半の展開は重いし悲壮感漂ってるんだけど、彼女と主人公を対で見ていると、「幸福(裕福?)で無力で空虚な今時のニホンジン」を突きつけられているようでぐさぐさきました。
主人公もそうなんだけど、マーヤちゃんにかかわった男女4人とも、基本的に友達思いの善人ぞろいだとは思うんだけど、なんかこー、引っかかるものを感じてしまうのはなぜだ。
…ってこれ、もしかしたら無力で空虚な自分の仕事っぷりが意識されたからですか?うむむ。
多分、前半では異国の目を通したときに見えてくる日常の謎を、後半では既に取り返せなくなっている幸福な日々のはかない美しさと現実の残酷さの対比をしみじみと味わうべき物語なんだろうなあ。
今はもうない異国=異界の中に幻のように消えていった少女の物語…として読むのが多分一番美しいんだろう(だから「妖精」なんだと思われますが)。読み手のリアルを主人公ら学生グループのメンバーに投影するとその美しさが(投影されたものに比例して)減じるんだとおもいます(そこは作者の計算外であって、あくまで物語の美しい構築をしたんだとは思うんだけどね)。
なんだか自分が汚れてます宣言したような希ガス… orz
…も…もっと誇りをもって日々生きてる人はぜひ…(←敗北宣言?)
ううう、痛みとともに、自分ののどはけっこうお仕事をしているのだなあと認識した次第です。…他所様に誇れるような仕事っぷりかどうかというのは関係ないけどね(自虐)!
さて、そんな隙間時間に本を1冊…というか逃避的に本を1冊読んだのでご紹介。2008年に読了した本23冊目、米澤穂信:著「さよなら妖精」創元推理文庫:刊。
…なんかがっつり重かった〜。ストーリーの表層は、ふとしたことで知り合った外国人の女の子マーヤと楽しい日々を過ごし、帰郷した彼女の住む町を記憶と記録を頼りに推理する…というだけの「日常的な謎」ミステリーなんだけど。
マーヤの国はユーゴスラヴィア。当時6つの国からなる社会主義連邦国家。作中の時間1991年から1992年にかけてで、そのころ起こったユーゴスラヴィア紛争により国は解体し、2003年には消滅している。
いろいろな国を訪問して、人との交流から学ぶ彼女と、主人公たち4人の高校生の交流。紛争が始まり、故国に帰っていった彼女を案じ、彼女の故郷はユーゴの中のどの国にあるのかを主人公は推理する…。
ユーゴスラヴィア、という国の悲劇性もそうなんだけど、主人公が(恋愛とかそういう見地からでは決してなく)彼女についてユーゴに行きたい、というその辺の思い込み(というか若さゆえの陶酔?)のアイタタっぷりがもー、なんというか辛いわ…。
前半の異国から来たゆえのマーヤちゃんの興味に引きずられて「なんで?どーして?」と謎に満ちた日常しているところがとても幸福な出会いとして描かれているだけに、後半の展開は重いし悲壮感漂ってるんだけど、彼女と主人公を対で見ていると、「幸福(裕福?)で無力で空虚な今時のニホンジン」を突きつけられているようでぐさぐさきました。
主人公もそうなんだけど、マーヤちゃんにかかわった男女4人とも、基本的に友達思いの善人ぞろいだとは思うんだけど、なんかこー、引っかかるものを感じてしまうのはなぜだ。
…ってこれ、もしかしたら無力で空虚な自分の仕事っぷりが意識されたからですか?うむむ。
多分、前半では異国の目を通したときに見えてくる日常の謎を、後半では既に取り返せなくなっている幸福な日々のはかない美しさと現実の残酷さの対比をしみじみと味わうべき物語なんだろうなあ。
今はもうない異国=異界の中に幻のように消えていった少女の物語…として読むのが多分一番美しいんだろう(だから「妖精」なんだと思われますが)。読み手のリアルを主人公ら学生グループのメンバーに投影するとその美しさが(投影されたものに比例して)減じるんだとおもいます(そこは作者の計算外であって、あくまで物語の美しい構築をしたんだとは思うんだけどね)。
なんだか自分が汚れてます宣言したような希ガス… orz
…も…もっと誇りをもって日々生きてる人はぜひ…(←敗北宣言?)
2008年04月24日
辻真先「ぼくたちのアニメ史」
うう眠い。寝オチ寸前のボケ頭でお送りします…。
最近はちょっとどくしょ離れてる傾向にあるんだけど、もち歩いてちょこちょこ読んでた本が1冊読了。2008年に読了した本22冊目、辻真先:著、「ぼくたちのアニメ史」、岩波ジュニア新書:刊。
辻真先といえば、若いころ(はい、大昔ですよ)テレビアニメを見ればシナリオライターとしてそりゃあもうよく見た名前なんですが、そうか〜、シナリオライターはともかく、視聴者として今でもアニメをしっかりみてらっしゃるのか〜、という素敵な印象。そうだよね!ずっとアニメ業界に関わってきてらしたんだもん、アニメ大好きですよね!
…とまあそんな感じでえらく好感度アップしてしまったわけなんですが、そもそも「テレビまんが」と言われていた時期からのアニメについて、作品の完成度と世間的な評価、製作者サイドの3方向から語ってくれております。
ちょっと構成が散文的な印象を受けるけど、辻氏の思いで語り的な雰囲気をかもし出すのに狙った方向性なのかな、とも思えるので無問題。
むしろ「テレビまんが」が「アニメ」と呼ばれるようになったころのちょうど視聴者世代としては、思い出を共感できる気がして素敵感倍増なり。
また、テレビアニメシリーズおよび劇場公開映画のみならず、イベント公開のものまで、昨今の流れとしてのフルデジタルアニメまでを扱っているあたりは、間口が広くしかもディープ。さすがに最近アニメ作品にどっぷりはまるほどの時間的余裕はないのですが、やっぱアニメはいいよな〜と思わせてもらって満足満足。
そんなわけで、かつてのアニメスキーと今現在のアニメスキーは読んでおけ。自分の好きな作品の歴史とか周辺事情を俯瞰して見るのもいとおかし、ですよ。
追記:実は辻氏の「ルパン3世」小説版を学生時代に既読。あれ読んでテレビシリーズのシナリオも当然書いているものと思ってた(シナリオライターだから小説化の企画が行ったんだと思ってた)のに、アニメシナリオにはノータッチなんですね〜。意外でした。
最近はちょっとどくしょ離れてる傾向にあるんだけど、もち歩いてちょこちょこ読んでた本が1冊読了。2008年に読了した本22冊目、辻真先:著、「ぼくたちのアニメ史」、岩波ジュニア新書:刊。
辻真先といえば、若いころ(はい、大昔ですよ)テレビアニメを見ればシナリオライターとしてそりゃあもうよく見た名前なんですが、そうか〜、シナリオライターはともかく、視聴者として今でもアニメをしっかりみてらっしゃるのか〜、という素敵な印象。そうだよね!ずっとアニメ業界に関わってきてらしたんだもん、アニメ大好きですよね!
…とまあそんな感じでえらく好感度アップしてしまったわけなんですが、そもそも「テレビまんが」と言われていた時期からのアニメについて、作品の完成度と世間的な評価、製作者サイドの3方向から語ってくれております。
ちょっと構成が散文的な印象を受けるけど、辻氏の思いで語り的な雰囲気をかもし出すのに狙った方向性なのかな、とも思えるので無問題。
むしろ「テレビまんが」が「アニメ」と呼ばれるようになったころのちょうど視聴者世代としては、思い出を共感できる気がして素敵感倍増なり。
また、テレビアニメシリーズおよび劇場公開映画のみならず、イベント公開のものまで、昨今の流れとしてのフルデジタルアニメまでを扱っているあたりは、間口が広くしかもディープ。さすがに最近アニメ作品にどっぷりはまるほどの時間的余裕はないのですが、やっぱアニメはいいよな〜と思わせてもらって満足満足。
そんなわけで、かつてのアニメスキーと今現在のアニメスキーは読んでおけ。自分の好きな作品の歴史とか周辺事情を俯瞰して見るのもいとおかし、ですよ。
追記:実は辻氏の「ルパン3世」小説版を学生時代に既読。あれ読んでテレビシリーズのシナリオも当然書いているものと思ってた(シナリオライターだから小説化の企画が行ったんだと思ってた)のに、アニメシナリオにはノータッチなんですね〜。意外でした。
2008年04月15日
スティーヴン・ジェイ・グールド「パンダの親指 〜進化論再考〜(下)」
今日はやや早めに仕事を切り上げ〜。同僚に誘われて食事をしてきました。新発田市内の中華屋さんに行ったんだけど、新発田城の桜がいい感じだったので写真に収めてきました。
…だがうちで読めないデジカメしか持ってなかったんだ…!
そんなわけで、学校のノートを経由して桜TB記事は明日(といっても学校から記事投下するほど仕事に余裕はないDEATH)。そうそう、旦那から「桜の画像撮ったぞ〜」とメッセ。山形の桜記事は週末予定!
さて、最近ずっともって歩いてた割には読み終わるのが遅かった本のご紹介〜。2008年に読了した本21冊目、スティーヴン・ジェイ・グールド:著、「パンダの親指 〜進化論再考〜(下)」、ハヤカワ文庫:刊。
上巻に引き続き、興味を引くトピックスで面白くためになりますが、やはりやや読むのに時間がかかりました。内容の難解さ(といっても、古生物学にしろ分子生物学にしろ要約されているのでわかった気にはなれますが)もさることながら、やはり素人には唐突に感じられる耳慣れない学者さんたちの固有名詞に翻弄されました。…本文用に1つ、巻末の訳注用にひとつしおりを用意してお読みください。
しかし上巻よりもジャンルとして好きな恐竜類と鳥類の関係にけっこうページを割いてくれたので個人的には上巻よりも満足度高し。恐竜は冷血なのか温血なのか、鳥類は恐竜の生き残り(というか、恐竜から派生した種類)と見てよいのか、そうだとするならば恐竜は爬虫類ではないのか…。本書、というかエッセイが書かれた当時の生物学における一般的(多数派)な見解、グールド自身の考え、そして多分普通程度に教養のある一般の人たちがとらえるであろうイメージ、の3者を明確にしたうえで自説を展開しているので割とすんなり入ってきます。
個人的には、鳥類は恐竜的な痕跡を残しててくれると嬉しいなあ。もう挿絵に描かれてた始祖鳥がラブリーすぎる!
他にも、南北アメリカ大陸の開通による有袋類と有胎盤類の生存競争の話とか、「ゾウの時間ネズミの時間」なんかでも紹介されている「生物のサイズとその生物の寿命(または生物としての時間)」の問題とか、なかなか面白いトピックスが目白押し。
今回は巻末に訳者である櫻町翠軒氏のあとがきと、哲学者中村雄二郎氏の解説が載っているんだけど、この2人の文章もグールドの主張やエッセイの真髄をうまく要約していて面白い、かな。
とりあえず訳注と首っ引きで読むのが苦にならない人にはお勧めです。
2008年04月12日
あきばたまみ「インコの手紙」
超久しぶりのブックレビュー。2008年に読了した本20冊目、あきばたまみ:著、「インコの手紙」経済界:刊。
アマゾンさんから旦那に本が届いた。仕事に関連した本とか今野敏のガンダム本とか(そのうち貸してもらおう)何冊も入っていた中から「ほい」と1冊渡された。「インコの手紙」…薄い絵本。
いいんだけどさ、表紙の絵、インコじゃないじゃん。黄色くて可愛いけどさ、これむしろヒヨコ…とかいいつつ、ぱらりとめくる。
不覚。1分で泣けた。
ははは反則だよ!涙とまんねえよ!インコっぽく描いてないのももしかしてフィンチ派も一緒にノックアウト作戦か!
いや、もう、今年1月のアレとか去年9月の号泣したアレとか5月のがっくりしたアレとか3月の失意なソレとか2005年冬の錦華鳥のアレとかソレとか、 「文鳥の日」翌日のアレとか、いろいろフラッシュバックしたらしくて、その後30分くらい涙が止まりませんでした…(なんかいろいろ駄目な人だよそれ!)
…というわけで、とりあえずフラッシュムービーをみつけたのでリンク張ってみる。手乗りスキーはみんな見て泣け!
んで、seesaaさんとこに商品がないようなので本家アマゾン商品ページにリンク。手乗りスキーはみんな買って読んで泣け!
ついでといってはなんですが、作者さんのブログ見つけたので該当記事にTB〜。
アマゾンさんから旦那に本が届いた。仕事に関連した本とか今野敏のガンダム本とか(そのうち貸してもらおう)何冊も入っていた中から「ほい」と1冊渡された。「インコの手紙」…薄い絵本。
いいんだけどさ、表紙の絵、インコじゃないじゃん。黄色くて可愛いけどさ、これむしろヒヨコ…とかいいつつ、ぱらりとめくる。
不覚。1分で泣けた。
ははは反則だよ!涙とまんねえよ!インコっぽく描いてないのももしかしてフィンチ派も一緒にノックアウト作戦か!
いや、もう、今年1月のアレとか去年9月の号泣したアレとか5月のがっくりしたアレとか3月の失意なソレとか2005年冬の錦華鳥のアレとかソレとか、 「文鳥の日」翌日のアレとか、いろいろフラッシュバックしたらしくて、その後30分くらい涙が止まりませんでした…(なんかいろいろ駄目な人だよそれ!)
…というわけで、とりあえずフラッシュムービーをみつけたのでリンク張ってみる。手乗りスキーはみんな見て泣け!
んで、seesaaさんとこに商品がないようなので本家アマゾン商品ページにリンク。手乗りスキーはみんな買って読んで泣け!
ついでといってはなんですが、作者さんのブログ見つけたので該当記事にTB〜。
2008年03月30日
野地 秩嘉「 エッシャーに魅せられた男たち 一枚の絵が人生を変えた 」
わわわ。25日前後に読み終わったはずなのに放置してました。恐るべしリセット効果。
(そうか?それ多分違うよ)
そんなわけで、2008年に読了した本19冊目、野地秩嘉:著、「エッシャーに魅せられた男たち 一枚の絵が人生を変えた 」光文社知恵の森文庫:刊。
エッシャーの絵はもちろん大好きな私ですが、この本にはエッシャー自体の生涯はそんなに語られていない。周辺事情を扱ってる以上はさらっと出てくるけどね。どっちかというと、「海外の無名の版画家エッシャーを日本でメジャーな存在にした立役者たち」のお話。
エッシャーのコレクションを一時期所蔵していた甲賀正治、少年マガジン紙上でエッシャーを紹介した大伴昌司、日本でのエッシャー展を成功させた新藤信という3人の活躍(というか、来歴?)を軸に、エッシャーが徐々に日本での知名度をあげていく様子が描かれているんだけど、彼らの苦労とかそういったところより、時代の雰囲気がよく出ていて笑ってしまった。
そうそう、高度成長期のあの雰囲気だよね!
(当時子供だったけどな!)
そうそう、バブルな時代があったよね!
(新人社会人だったし公務員だからあんまり恩恵に浴してないけどな!)
作者の野地氏も私よりもちょっと上くらいの世代なので、(もちろんノンフィクションだから綿密な取材の上書かれていることは承知だけど)なんか日本が元気だった時代を再現させるのにエネルギー使ってるような気がします。
同年代の人たちはぜひ読んで活気のある時代にやるせないノスタルジーを感じてください。実はあんまり幸福でも本国でメジャーなかったらしいエッシャーの生涯にさらにやるせない感を感じるのもよし。どんなもんでしょ。
2008年03月22日
「金の言いまつがい」
今日は医者に行って血液検査してショッピング〜。そんな何の変哲もないお休みの日。
…これで仕事が超切羽詰ってるなんてとても信じられないわ!
(目の前にあるのものを直視しなさいよ)
で、先日ロフトに行ったら「銀の言いまつがい」に引き続いて売っていたので買った本書を読み終えたのでした。あ〜面白かった。
はいはい、2008年に読了した本18冊目、「銀の言いまつがい」ほぼ日ブックス:刊。銀とネタが一個もかぶってないよ!すごいよ!
もう、言うことありません。とりあえず、「ほぼ日の言いまつがいコーナー」で試し読みしてみるべし!気に入ったら買うべし!
…これで仕事が超切羽詰ってるなんてとても信じられないわ!
(目の前にあるのものを直視しなさいよ)
で、先日ロフトに行ったら「銀の言いまつがい」に引き続いて売っていたので買った本書を読み終えたのでした。あ〜面白かった。
はいはい、2008年に読了した本18冊目、「銀の言いまつがい」ほぼ日ブックス:刊。銀とネタが一個もかぶってないよ!すごいよ!
もう、言うことありません。とりあえず、「ほぼ日の言いまつがいコーナー」で試し読みしてみるべし!気に入ったら買うべし!
ジェリー・ミンチントン「じょうぶな心のつくり方」
実は昨日(あ、もう一昨日だ)の休日出勤のときに、通勤途中で寄ったローソンで見つけてふらふら買った本がこれ。カバー帯に「だいじょうぶ、あなたはうまくいく!幸福な人生を手に入れる、50の心のつくり方」と書いてあります。
…要するに「気のもちよう本」というか「自己啓発本」というかですね。で、ふらふら買っちゃうところといい、するするけろりと読んでしまうところといい、どうやら大分心が弱っているようですよ私!w
というわけでご紹介。2008年に読了した本17冊目、ジェリー・ミンチントン:著「じょうぶな心のつくり方」ディスカヴァー21:刊。
基本的には「正しい自尊心を育て、自分の価値を確認(確信)して幸福に近づくものなんですのよ」という本。
自分が不完全な人間であることを認める」とか、「お互いを尊重する」とか、人生を豊かに幸福に生きるための50項目のヒントが書いてあります。
1割は「割とそーやって生きているなあ」と思いました。
2割は「がんばってそうできたら確かにいいよなあ」と思いました。
3割は「ああ、理想的にはそうだけど、実現するのは難しいよなあ」と思いました。
4割はいろんな理由で懐疑的に思いました。「それメリケン風味の思考法じゃね?」とか「いや、まずは円滑に生きてこそだろ」とかとか。
感想を列記したところで結論が出ましたね。
どうやら私は墓場まで脆弱な心を持っていくしかないようです。
…まあ、いいか。じょうぶじゃない心もあんまり嫌いじゃないんだ。
(でも自己嫌悪もお友達なワタシw)
弱っている人は手にとってみてもいいかもしれません。んでもって、目を閉じてぱっと開いたところを読んでみると、けっこうアドバイスされてる気になるかもよ。
2008年03月08日
小川一水「時砂の王」
週末だ〜。しかし今週は持ち帰り仕事もほんのりいっぱい。なんとかできるといいなあ、と思いつつ、なんともならない(というかしない)悪寒。
さて、週末を待ち望みつつ週日に仕事もしないで読んだ本(駄目じゃん)のご紹介を。2008年に読了した本16冊目、小川一水:著「時砂の王」ハヤカワ文庫:刊。
西暦248年、巫王としてあがめられてはいるものの窮屈な自分の立場に辟易していた少女・卑弥呼はお忍びで海を見にでかける。そこへ巨大蟷螂のような異形の物の怪が襲ってくる。あわや、というところで彼女と従者を助けてくれたのは、2300年の未来から過去を改変するためにやってきた「使いの王」だった…
読み始めて、なんか違和感を感じたんだけど、なるほど、時代考証を意図的にいじってあるわけですね。26世紀にETの侵攻によって人類は滅ぶわけなんだけど、ETに負けない歴史を作るために、滅亡した26世紀から強化人間「メッセンジャー」が過去へ飛び、歴史を改変して(ということは歴史上のある地点で枝分かれしたパラレルワールドを作って)なんとかしようという試みがなされる。しかしETたちも時間を遡る方法を持っていて、人類の歴史に過剰ともいえる干渉をし、あまたのパラレルワールドの人類を滅亡させ、勝利条件すら変えながらメッセンジャーたちとETたちの闘争は続く…
いやあ面白かった!なんてアクティブな!タイムパラドックスなんざ関係ねえとばかり人類史に干渉する作戦行動(歴史がゆがむのよりも人類が滅亡しないことのほうが優先事項となってる)、結果としてなんかやたらと早く歴史的な発見や技術革新がきてしまっている、このゆがみがむしろ快感。
話の本筋は邪馬台国(でも既に水田を作っているほどのパラレル邪馬台国だけどね!)の卑弥呼を中心とした、物の怪(ET)たちとの戦い(ついでに周囲の平定とか和睦とか)なんだけど、決戦ポイントであるこの448回目の邪馬台国(すると人類は都合447回滅びたんですね…)にいたるまでの、時間枝を分岐させ、どこかの時間枝の人類の存続のために今いる時間枝の人類を見捨ててきた経緯とか、そういった「使いの王(メッセンジャー・O)」自身の歴史が語られる。
そしてこの「使いの王」なんですが、なんか久々に萌えヒーローですよ!ディーン=R=クーンツ「ライトニング」の守護天使シュテファン以来の萌えっぷりですよ(これほとんどF2さん向けの煽りだな)!
肉体的には若く精悍なんだけど、精神に刻まれた疲労具合と、「かつて愛した女性への思い」がくよくよ方向じゃなくて行動原理や理想の方向へ昇華されてるところがレイモンド・チャンドラーとかその辺を彷彿とさせるですよ!
あ、「破壊魔貞光」が好きだった人はどうぞ〜。FTP理論の方は物語の筋から割愛されているし、「敵=主人公」設定が外されているので、「貞光」よりもストーリーラインがはっきりしていてわかりやすいかも。
2時間超くらいの劇場版アニメにならんもんかのう。
(実写でもいいけど、CGがしょぼいと悲しくなるかもな…)


