「少林サッカーのテイストに新作風味の味付けをした」という話を漏れ聞いていたので、あのノリを期待していったんだけど、そういう見方をすると裏切られますのでご忠告。映画として面白くないということではないんだけど、少林サッカーに比べてパロディ要素とかコミカルテイストに欠けるかな、と思います。
(でも、香港映画と邦画を比べちゃ駄目だよね、そういう意味じゃ。)
中国の本場少林寺で修行を終えた主人公・桜沢凛が日本へ帰ってくると祖父の道場は寂れ荒れ果て、門下生もちりぢりに。道場を建て直そうと一人頑張る彼女に、ふとしたことから知り合った(というか、かつての師匠の経営する中華料理屋で働いている)留学生と仲良くなり、彼女に少林拳を教える代わりに、彼女の所属する学校のラクロス部に入部することに…
…とまあ、そんな感じでお話が進んでいくのですが、主人公の身体能力が高すぎてかえって試合では足を引っ張ってしまうとか、そこを乗り越えてチームのメンバーと徐々にうちとけるとか(2時間枠の映画じゃなければここはじっくり描いてほしかったところだけど、遠巻きに見ていたチームメイトがやがて誘いに来る、というのは台詞に頼らない短時間の描写としては上出来かと)、そういう流れがむしろ自然でいい。
そして、チームメイトとの友情が成立したからこそ「守るための戦い(さらわれた女の子を救う、というだけじゃなくて)」とか「闇には堕ちない」というような後半の台詞が生きてくるのかな〜と思います。
そういった「ストーリーに破綻がない」という意味では「少林サッカー」よりもむしろ高評価かなあ。少林サッカーのクライマックスの試合なんて、「絶体絶命の危機からみんなでポージングしただけで本来の実力を取り戻し、流れを変える」という『様式美』以外の説明が不可能な強引過ぎる展開だもんなあ(しかしカンフーモノにはよくあることらしいぞ)。
しかし敵役中村トオル…じゃなくて学長との戦いの決着…
ありゃなんだーっ!!
やっぱ「愛」ですか?学長の台詞を借りると、
強さ<美しさ<<<越えられない壁<<<母性愛
ですか?…なんかしっくりこなかった…。
そしてやっぱり「少林サッカー」に比べて面白テイストが不足かなあ。凛ちゃんの動きとか、ボールがはるか場外へすっとんでいくシーンとか、そういうのはけっこう画面に面白さがあったんだけど、「バナナの皮をうっかり踏んでも少林寺拳法を習得していれば大丈夫」的なばかばかしい面白さがもっとほしかったなあ。
…もっとぶっちゃけていえば、凛ちゃんが学長室(室?塔?)へ乗り込もうとするとき、行く手を阻む学生たちがみんな黒い服を着ていたのを見ていつ敵の棒を奪い取ってぐるんぐるんまわるかと思ってみたり、お店が爆発したあと「アフロ!アフロは!?」とか思ってみたりしたわけです。…ええ、シリアスなシーンだってのは理解していますとも。
まあそんなわけで、若い女の子が大挙して出る元気なお話、ハッピーエンドの活劇がお好きな方は安心して見てられますのでぜひ。「少林サッカー」を頭から追い出して「少林少女」の世界を堪能することをお勧めいたしますです、はい。



